2008年08月21日

古河機械金属、熱エネルギーを電気に変換する高性能熱電変換材料を開発 −スクッテルダイト系熱電変換材料として世界最高の性能を実現−

 当社(社長:相馬 信義)は、熱エネルギーを電気に変換することで期待されている熱電変換材料において、中温領域(室温〜600℃)で高い性能を持つ熱電変換材料の開発に成功しました。今回開発したのはFe(鉄)、Co(コバルト)、Sb(アンチモン)、希土類元素※1などからなるスクッテルダイト系※2熱電変換材料です。

 現在、日本で消費されるエネルギーの約2/3は未利用のまま、廃熱として大気中へ排出されています。この廃熱を電気に変換できれば、省エネルギー、環境負荷の軽減に繋がります。熱電変換材料を組み込んだ熱電変換モジュールは機械的稼働部品がなく、廃熱発生の場所に応じたサイズで設置が可能であり、廃熱を利用した発電手法の一つとして注目を集めています。

 熱電変換材料は電気的特性が良く※3材料の熱伝導率の低いことが高い性能を得るポイントになりますが、スクッテルダイト系材料は電気的特性が優れている反面、熱伝導率が高い傾向にあることが課題となっておりました。当社はこの電気的特性に影響を与えずに熱伝導率を減少させることに着目し研究開発を続けてきましたが、このたび大幅な熱伝導率の低減を実現し、熱電変換材料の性能を向上させることに成功しました。

 通常、熱電変換材料の性能は無次元性能指数(ZT)によって表わされ、p型、n型材料共に実用化レベルはZT=1を指標としていますが、今回開発した熱電変換材料はp型でZT=1.1、n型でZT=1.3と実用化レベルに到達し、スクッテルダイト系では世界最高の値を実現しました。さらに、熱電変換材料はp型、n型材料の両方が良好な特性を持っていることが必要ですが、開発した材料は、p型、n型とも350℃〜550℃の広い範囲でZTが1を超えており、実用上の観点からも応用範囲が広がることが期待されます。

 また、この熱電変換材料を用いて50mm角×高さ8mmの熱電変換モジュールを試作し、上面(高温側)を720℃、下面(低温側)を50℃の条件で試験したところ、熱電変換効率7%、出力33ワット(出力密度1.3ワット/cm2)と高い熱電変換性能を得ました。

 今後は、熱電変換効率をさらに改善し、量産化に必要な技術開発を進め、自動車、工場、焼却炉などにおける熱エネルギーの有効利用に向けて、2010年の実用化を目指して研究開発を進めてまいります。

 なお、この成果の一部につきまして、8月21〜22日に早稲田大学大久保キャンパスで行われます第5回日本熱電学会学術講演会において発表(22日)を予定しております。

posted by キャンドルチャート at 06:30| プレスリリース・機械 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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