2008年03月19日

三菱電機、実用サイズの多結晶シリコン太陽電池セルで世界最高の変換効率18.6%を達成

 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、実用的な150mm角サイズの多結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高[※1]の光電気変換効率[※2]となる18.6%[※3](当社従来比[※4] 0.6ポイント向上)を達成しました。

※1:2008年3月19日現在、当社調べ
※2:太陽光の光エネルギーを電気エネルギー(直流)に変える効率
※3:変換効率の公的認証機関である産業技術総合研究所(AIST)における評価結果
※4:光電気変換効率18.0%を達成した当社開発品(2007年5月31日発表)

<開発の背景と意義>
 世界的な環境意識の高まりにより、二酸化炭素(CO2)を排出しない太陽光発電システムが注目されるとともに太陽電池の需要が世界的に拡大しています。一方、太陽電池の原料となるシリコンの需給が逼迫しており、太陽電池を構成する太陽電池セルには、より少量のシリコンでより多く発電することが求められ、シリコンウエハーの薄肉化と、変換効率向上の研究が進められています。
 当社は太陽電池セルの高効率化を追求し、今回、受光面の低反射化や、pn接合面への受光量増大、集電用グリッド電極の細線化など独自技術により、実用的な150mm角サイズの多結晶シリコン太陽電池セルで世界最高の変換効率18.6%を達成しました。これにより、狭小屋根など限られた設置スペースでも、より多くの発電量を確保できます。

<今回開発したセルの特長>
1.次世代の超高効率太陽電池セル実現のための、低反射テクスチャー形成技術を世界で初めて開発
 太陽電池のさらなる高効率化のためには、セル表面の反射率を一層低減して受光量を増やす必要があります。反射率を低減する最適構造の1つがハニカムテクスチャー構造[※5]ですが、従来のハニカムテクスチャー形成技術は量産品への適用が困難でした。当社は世界で初めて[※1]、レーザーパターニングと湿式エッチングにより、150mm角の多結晶シリコン太陽電池セルの表面にハニカムテクスチャーを形成する技術[※6]を開発し、実用化の目処をつけました。

※5:ハニカム(ハチの巣)状に直径10数マイクロメートルのお椀形のくぼみが並んだ構造
※6:本技術は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託の「太陽光発電システム未来技術研究開発」の開発成果を一部使用

2.pn接合のn層の最適化により受光量を増大
 太陽電池の発電量はpn接合[※7]に達する光の量にも依存します。今回、n層を薄くすることにより受光量を増大し、電流を効率的に取り出すことができました。

※7:負電荷のn型半導体と正電荷のp型半導体の接合面に光が入ると電流が発生する

3.集電用グリッド電極の細線化(従来比約25%減)により、有効発電面積を拡大

<今後の事業展開>
 製品化については、低反射テクスチャー形成技術の量産性向上を図り、2010年度以降の当社太陽電池モジュールのセルに順次導入していきます。業界最高[※8]の電力変換効率を誇るパワーコンディショナと組み合わせることにより、太陽光発電システムの高出力化を図ります。当社は今後とも、太陽光発電システムの普及に努め、地球環境保全と持続可能型社会の実現に貢献していきます。
 なお本件は、2008年9月にスペインで開催される学会「The 23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference」にて本成果を発表する予定です。

※8:2008年3月19日現在。国内住宅用太陽光発電システム向けパワーコンディショナの量産機種において

<特許件数>
 国内18件、海外7件出願中
posted by キャンドルチャート at 21:24| プレスリリース・電機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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